『授業でつかえる文学あそびベスト50』 [書籍]
本書の特徴について、「まえがき」には次のように書かれています。
本書のコンセプトは「文学を遊ぶ」ということです。
ふしぎなことに、これまで「文学を遊ぶ」というコンセプトでまとまった授業づくりの本はほとんどありませんでした。わたしはこれまで『授業でつかえる漢字あそびベスト50』そして『論理的な表現力を育てる学習ゲーム』などの新しい「国語科学習ゲーム」の開発に取り組んできました。本書はそのその路線上に位置づく一冊になります。
さらに、「本書の最初の動機づけ」は『伝達の美学』(外山滋比古著、三省堂)にありながらも、内容については『読書で遊ぼうアニマシオン』(モンセラットサルト著、柏書房)を「一つのお手本」にしたと明記されています。
本書の目次を見ただけでも、アニマシオンの影響は明らかです。「読書へのアニマシオン」のアイデアを「読書ゲーム」として工夫したのが、本書の「文学あそび」になっていると思われます。文学の「授業でつかえる」アイデア集を、いかに授業者が活用していくかが今後の課題でしょう。著書の上條晴夫さん自身も「いくつかの文学あそびが追試され、修正をされ、また新しく開発をされて国語科の教室に広がっていけばよい」と書いている通りです。
たとえば、「文学クイズ」のように、比較的フレームが明確な文学あそびを通して、授業づくりを行ってみるとよいのかもしれません。
まえがき
1 文学をゲームしよう
(1)題名コンテスト——作者になったつもりで
(2)人物調査書ゲーム——ちょっと探偵みたい
(3)なりきり質問ゲーム——登場人物のつもりで
(4)ニュースキャスターゲーム——物語中の事件をクローズアップ
(5)一人語りトーナメント——劇団オーディションのノリで
(6)音読ダウト——まちがい探しゲーム
(7)スタンドアップ——言葉探しゲーム
(8)学習クイズゲーム——チーム対抗戦で熱中!
(9)心情曲線コンテスト——心理学者のように
(10)ディベートあそび——意見を対立させて考える
2 文学クイズを楽しもう
(1)小物クイズ——これは誰のもの?
(2)順番クイズ——作品バラバラ事件
(3)登場人物クイズ——それは誰のこと?
(4)描写文クイズ——本物はどれだ
(5)会話文クイズ——これは誰のセリフ?
(6)声喩クイズ——これは何の音?
(7)さし絵クイズ——絵を読むセンスをみがこう
(8)場面クイズ——これはどこの文?
(9)設定クイズ——いつ・どこで・誰が?
(10)題名クイズ——いっぱい知っているよ
3 文学を声にして読もう
(1)対決読み——言葉のボクシング
(2)共同読み——勝ち抜け方式
(3)リレー読み——チームワークが勝負
(4)ストップ読み——ハラハラドキドキ
(5)対話読み——掛け合いの楽しさ
(6)グループ音読——緊張の一瞬
(7)学級音読——緊張感を楽しむ
(8)早口読み——個人戦方式
(9)移動読み——アクション読み
(10)連れ読み——真似こそ上手のはじまり
4 文学を使って作文しよう
(1)コピー作文——コピーライターになってみよう
(2)鉛筆対談バトル——書きながら論争する
(3)変身作文——視点を変えて作品を書き直す
(4)ミニ評論文——作品につける辛口通信簿
(5)手紙作文——相手に語りかけるつもりで
(6)再話作文——自分の言葉で書き換えてみる
(7)意地悪読み作文——読みがグッと深くなる
(8)わき役作文——複眼思考をきたえる
(9)続き話作文——あの人はいま、
(10)題名作文——タイトルから想像する
5 文学でアートしてみよう
(1)コラージュ——読書感想画
(2)ジオラマ——立体模型をつくる
(3)イラスト——マンガに脚色してみる
(4)連続マンガ——人物の気持ちを吹き出し法で
(5)紙芝居——詩を絵にしてみる
(6)五・七・五——作品から俳句をつくる
(7)劇遊び——練習なしのごっこ遊び
(8)一行詩——呼びかけ型にして
(9)BGM——朗読をする時に
(10)ナレーション——朗読の前に楽しくやる
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