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『楽しい学級通信の書き方』 [書籍]


徹底マニュアル楽しい学級通信の書き方 (ネットワーク双書―教師のための文章講座)

徹底マニュアル楽しい学級通信の書き方 (ネットワーク双書―教師のための文章講座)

  • 作者: 上條 晴夫
  • 出版社/メーカー: 学事出版
  • 発売日: 1994/08
  • メディア: 単行本


上條晴夫さんの「教師のための文章講座」徹底マニュアルの1巻目です。「長い間、学級通信を楽しく書きたいと思っていた」上條さんのノウハウが示されています。

まず、「私の文章修業」では、上條さんが「教師になって三年目、学級通信を毎日書く」ことを一年間継続したものの、その後は長続きしなかったことが告白されています。ようやく、七年目に学級通信を続けられたのは「他人の文章をマネして書くという単純な方法」を身に付けたからでした。

そこで、必要になってくるのが「機能的な文章観に学ぶ」ことです。上條さんは『文章作法』(樺島忠夫著、日本経済新聞社)や『文化記号論への招待』(池上嘉彦著、有斐閣)などに学びながら、「型は従うべきものではなく、利用すべきものだ」という発想を学級通信にも適用したのです。

ただし、学級通信では「事実を中心に書く」ことが求められます。学級通信のような「『型』の上に『事実』についての情報をのせると、文章ができあがる」のです。この事実の文を書くためのポイント「数量化」「名詞の活用」「会話文」「引用」が、学級通信の実例とともに示されています。

そして、事実を中心に「分かりやすく書くとは」、どのようにすべきか。上條さんは、やはり学級通信の実例を示して「A 予告の文」「B 事実の文」という構造で文章の目的を明示しています。その上で、事実を分かりやすく示す工夫の一つが「枠囲み」とされています。以下、関係箇所を引用します。

 一九八〇年代の授業記録の文体革新運動の中で広く普及した手法である。授業の骨格となる主な指示・発問と、その場の状況に応じて行われた教師の発言を区別するためのものである。
 これによって、授業の再現可能性(いわゆる「追試」)がしやすくなった。
 そして、読みやすくなったのである。
 枠で囲まれた部分を拾い読みするだけで、授業の全体構造が見えてくる。
 右の記録文では、班長の選出法を二者択一で問う一つ目の発問と、それに続く「ジャンケン班長」の可能性を問う二つ目の発問で全体が構成されていると読める。

以上、第1章「学級通信・書き方のポイント」の小見出しを中心にたどってきました。以下の各章で、これらのポイントについて詳述されています。学級通信の書き方はもちろん、「教師のための文章講座」と銘打っているシリーズだけあって、教師の力量形成に必ず役立つ1冊です。

まえがき
(1)学級通信・書き方のポイント
 1 私の文章修業
 2 機能的な文章観に学ぶ
 3 事実を中心に書く
 4 分かりやすく書くとは
(2)授業の記録を書こう
 1 「視写」方式で書く
 2 子どもの反応を書く
 3 会話の工夫
 4 描写の工夫
 5 他人の授業を記録する
(3)学級のドラマを書く
 1 学級のドラマを書くには
 2 パーツ作文の活用
 3 二文インタビュー法
 4 話し合いを記録する
 5 鉛筆対談で取り組みをまとめる
(4)子どもの作文にコメントする
 1 作文挟み込み法で書く
 2 文脈を設定して書く
 3 考察を工夫する(上)
 4 考察を工夫する(下)
 5 授業感想文のススメ
(5)学習情報を書く
 1 本の情報を書く
 2 他人の説を引用する
 3 会話を中心に書く
 4 柱を立てて書く
 5 データを集める
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