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『困ったときの研究レポートの書き方』 [書籍]


徹底マニュアル 困ったときの研究レポートの書き方 (ネットワーク双書―教師のための文章講座)

徹底マニュアル 困ったときの研究レポートの書き方 (ネットワーク双書―教師のための文章講座)

  • 作者: 上條 晴夫
  • 出版社/メーカー: 学事出版
  • 発売日: 1994/12
  • メディア: 単行本


上條晴夫さんの「教師のための文章講座」徹底マニュアルの2巻目です。教師になって七年目、県の教育研究集会で発表した文学の授業レポートを検討さえしてもらえなかった経験から、「研究レポートを本気で考えるようになった」上條さんの執念が伝わってきます。

「サークルのレポート」「校内研究会のレポート」「地区研究会のレポート」「全国集会のレポート」本書で取り上げられている各種レポートのうち、最後に「あすの授業」形式のレポートについて書かれています。以下、引用します。

  (1)授業のへそ
  (2)授業の流れ
  (3)伝言板

 以上、構成は極めて単純である。
 授業の流れには、追試のできる授業記録を書く。授業の手順・方法を明確にするために次の記号を用いて記述している。

  主な指示・発問………… □
  その他の教師の発言……『  』
  子どもの発言……………「  」

 ちょっとした記号の工夫のようだが、授業を構造化して示すのに非常に効果がある。
 発言の内容は、原則として授業で実際に話したとおりに書く。
 レポートの中心は、この「授業の流れ」である。しかし、「授業のへそ」と「伝言板」の二つもレポートの要素として重要である。
 まず、まず、「授業のへそ」は、いわゆる「目標記述」とは違う。
 授業がうまくいった時に、「なぜうまくいったのか」という理由を書くのが、この「授業のへそ」である。授業の「事実」に対して、授業を支える「説(考え)」の部分である。
 右のレポートでは、「子どもの興味を引く書き出しを与える」ということが、子どもたちが、どんどん楽しく書くための「説」である。
 次に、「伝言板」は、授業づくりの周辺情報を書く。
 参考文献、関連教材、教材の入手法、授業のその後の発展などである。この中で最も重要なのが、参考文献である。何をヒントに授業が作られたのか、アイデアも含めた引用を行う。
 以上は、研究集会の書き方ルールに従った授業記録レポートの一つ典型例である。
 書式に従って授業を書くことで、授業自体の吟味も行われるように思う。

「授業のへそ」「授業の流れ」「伝言板」という書式に従ったレポートの書き方のみならず、「書式」が「授業自体の吟味」を促すという指摘も重要だと思われます。

「あすの授業」の書き方はもちろん、「教師のための文章講座」と銘打っているシリーズだけあって、教師の力量形成に必ず役立つ1冊です。

まえがき
(1)研究レポート・書き方のポイント
 1 検討すらされなかったレポート
 2 研究レポートの型を知る
 3 検証可能な文章を書く
 4 着眼発想法でテーマ発見
(2)サークルのレポートを書く◎学級づくり
 1 キーワードを探す
 2 子どもの作文を資料に
 3 小見出しを使う
 4 枠囲みを柱にする
 5 断片をテーマに
(3)校内研究会のレポートを書く◎道徳教育
 1 追試情報を列挙する
 2 周辺情報を分類して書く
 3 技術レベルの言葉で
 4 好調の原因を探る
 5 指導を定式化する
(4)地区研究会のレポートを書く◎子ども理解
 1 争点化をする
 2 反論先どりの手法
 3 テーマを絞り込む
 4 トータルな視点で書く
 5 実践研究の流れを意識する
(5)全国集会のレポートを書く◎作文の授業
 1 書式に従って書く
 2 指導の困難点を指摘する
 3 専門性を追求する
 4 実践的提案の三要素
 5 論理を構築する
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