残り3ヶ月!学級の目標をふり返ろう [雑誌]
私が編集に関わっている学事出版の雑誌『授業づくりネットワーク』「あすの授業」コーナーの原稿を、私なりの視点で検討していきます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号
『授業づくりネットワーク』2011年1月号
学級活動(小6)/佐竹康弘 残り3ヶ月!学級の目標を振り返ろう
授業の冒頭には、次のように書かれています。
一月、新しい年の最初の学級びらきの時に、子どもたちに次のようにたずねた。
わたしたちは、四月に決めた「授業の合言葉」を達成できているか。
子どもたちは、四月に自分たちで、『創造!想像!元気爆発、満塁ホームラン授業』という授業の合言葉を決めている。そして、何回かふり返りを行ってきていた。
つまり、教師は「学級の目標をふり返ろう」という発問をしています。それを受けて、子どもたちからは積極的な意見が出てきています。ちょっとした教師の投げかけに対する子どもたちの反応には感心するばかりですが、それには何らかの「しかけ」があると考えた方が良さそうです。たとえば、「残り3ヶ月」に至るまでには、「何回かふり返りを行って」いる点を見落とすべきではないでしょう。
さて、「これまでの目標をふり返る」活動の後に、「新しい目標をつくる」活動に取り組んでいます。その場面を引用します。
そこで、授業の合言葉の『創造!想像!元気爆発』の部分を変え、新しい合言葉をつくることにした。
今年度も残り三ヶ月。わたしたちは、『創造!想像!元気爆発』を、どんな「授業の合言葉」に変えるか。
子どもたちから、
「みんなでがんばれる言葉として、仲間と一緒にはどうかな。」
「勇気を出してみんながいっぱい発言できるように、『勇気爆発』はどうだろうか」
「もうすぐ中学校なので中学校に向けての言葉として、前向きな自分という意味で、『チャレンジ』などを入れたいなあ」
「進む進む自分という意味で、『あきらめないで』にしたらいいのでは」
「それだったら、それに『輝け』中学生へを最後に足したらどうかな」
「他の人とも輝くということで、輝けという言葉もいいね」
「いい言葉がいっぱいあるので、三つの意味を込めて、三拍子で輝けにまとめよう」
などと、次々に意見が出されていった。
こちらも、教師の発問に対して、子どもたちの意見が次々に出てきています。これも、何らかの「しかけ」がありそうです。たとえば、意見をノートに書くなど、個人で思考する時間は無かったのか? ペアやグループで相談する時間は? 教師は板書などで意見の整理を行っているのか?……などなどです。
この原稿で佐竹さんが枠囲みしたのは、二つの発問のみです。けれども、これらの発問だけで、上記に示したように豊かな子どもたちの反応が出てくるとは考えにくいです。そこに至るまでの「しかけ」を意識的に書き込んでもらえると、もっと再現可能性が高まるように思えます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号
『授業づくりネットワーク』2011年1月号
学級活動(小6)/佐竹康弘 残り3ヶ月!学級の目標を振り返ろう
授業の冒頭には、次のように書かれています。
一月、新しい年の最初の学級びらきの時に、子どもたちに次のようにたずねた。
わたしたちは、四月に決めた「授業の合言葉」を達成できているか。
子どもたちは、四月に自分たちで、『創造!想像!元気爆発、満塁ホームラン授業』という授業の合言葉を決めている。そして、何回かふり返りを行ってきていた。
つまり、教師は「学級の目標をふり返ろう」という発問をしています。それを受けて、子どもたちからは積極的な意見が出てきています。ちょっとした教師の投げかけに対する子どもたちの反応には感心するばかりですが、それには何らかの「しかけ」があると考えた方が良さそうです。たとえば、「残り3ヶ月」に至るまでには、「何回かふり返りを行って」いる点を見落とすべきではないでしょう。
さて、「これまでの目標をふり返る」活動の後に、「新しい目標をつくる」活動に取り組んでいます。その場面を引用します。
そこで、授業の合言葉の『創造!想像!元気爆発』の部分を変え、新しい合言葉をつくることにした。
今年度も残り三ヶ月。わたしたちは、『創造!想像!元気爆発』を、どんな「授業の合言葉」に変えるか。
子どもたちから、
「みんなでがんばれる言葉として、仲間と一緒にはどうかな。」
「勇気を出してみんながいっぱい発言できるように、『勇気爆発』はどうだろうか」
「もうすぐ中学校なので中学校に向けての言葉として、前向きな自分という意味で、『チャレンジ』などを入れたいなあ」
「進む進む自分という意味で、『あきらめないで』にしたらいいのでは」
「それだったら、それに『輝け』中学生へを最後に足したらどうかな」
「他の人とも輝くということで、輝けという言葉もいいね」
「いい言葉がいっぱいあるので、三つの意味を込めて、三拍子で輝けにまとめよう」
などと、次々に意見が出されていった。
こちらも、教師の発問に対して、子どもたちの意見が次々に出てきています。これも、何らかの「しかけ」がありそうです。たとえば、意見をノートに書くなど、個人で思考する時間は無かったのか? ペアやグループで相談する時間は? 教師は板書などで意見の整理を行っているのか?……などなどです。
この原稿で佐竹さんが枠囲みしたのは、二つの発問のみです。けれども、これらの発問だけで、上記に示したように豊かな子どもたちの反応が出てくるとは考えにくいです。そこに至るまでの「しかけ」を意識的に書き込んでもらえると、もっと再現可能性が高まるように思えます。
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