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ゆめのれいぞうこ [雑誌]

私が編集に関わっている学事出版の雑誌『授業づくりネットワーク』「あすの授業」コーナーの原稿を、私なりの視点で検討していきます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号

『授業づくりネットワーク』2011年1月号
図工(小1)/佐久間明子 ゆめのれいぞうこ

「授業へそ」を引用します。

 画用紙一枚でパパッと取り組めて楽しめる。
 想像力を鍛えつつ、子どもの心の中の状態も把握できちゃう。夢いっぱいの授業。

「画用紙一枚」で冷蔵庫ができるというのが魅力的です。さっそく、作り方を見てみましょう。

 画用紙を縦半分におり、はさみでおよそ三等分になるように二カ所に切り込みを入れるよう指示する。

図も載っているので、さっそく作ってみました。ところが、うまくできません。画用紙の真ん中に二つの穴ができるだけで、あまり冷蔵庫らしくありません。指示通りに作ったつもりなのですが……。

改めて、原稿を読み直しました。「画用紙がパタパタする」と書かれているのを見て気がつきました。はさみの切り込みが違っていたようです。つまり、画用紙の折り目の方ではなく、開く方に切り込みを入れます。二カ所を切ると、三段に扉が分かれた冷蔵庫ができるというわけです。

私が勘違いした原因は、図にありました。半分に折った画用紙に切り込みの場所が示されています。ところが、画用紙がピッタリ重なっているので、どちら側から切っているのかが分からなかったのです。縦半分に折った画用紙を少しズラして立体的に示してあれば、そのような勘違いはしなかったでしょう。

また、図だけでなく、文による指示の示し方にも課題があるように思われます。たとえば、次のような箇条書きにできないでしょうか。

(1)画用紙を縦半分に折る。
(2)およそ三等分になるように、鉛筆でうすく横線を引く。
(3)画用紙を開き、二カ所の鉛筆の印に沿ってはさみで切る。
(4)はさみで切った部分をパタパタさせてみる。

図に頼らなくても、文だけで再現できるように書き替えてみました。私が書き足したのは(2)の部分です。画用紙のどこを切るかは、非常に重要な指示のはずです。

『だいたい三つに分かれるように切るんだよ』
『画用紙を重ねたまま切ったらダメだよ』
『重ねた画用紙の一枚だけ切るんだよ』

こんな具合に、佐久間さんは1年生の子どもたちに対して、丁寧に切る場所を説明したのではないでしょうか。そこで、鉛筆で印をつける手順を付け加えてみました。はさみで切ってしまう前に、鉛筆で切る場所を確認させる作業を入れれば、私のように切り方を間違えてしまう子どもを防げるように思います。

実際に、鉛筆で印を付けるかどうかはともかく、1年生の子どもたちに対しては、これくらい丁寧な指示が必要だと思われます。せっかくの楽しい「ゆめのれいぞうこ」づくりです。最初でつまずいてしまわないよう、「一時一事の原則」(向山洋一著『授業の腕をあげる法則』明治図書)を意識して、原稿の再現可能性を高めたいものです。
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