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校庭ビンゴ [雑誌]

私が編集に関わっている学事出版の雑誌『授業づくりネットワーク』「あすの授業」コーナーの原稿を、私なりの視点で検討していきます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号

『授業づくりネットワーク』2011年1月号
理科(小4)/飯村友和 校庭ビンゴ

「授業へそ」を引用します。

 ビンゴゲームの数字を自然に置き換えたゲームである。
 子どもたちは夢中になって校庭の自然を探し回る。校庭中から「ビンゴ!」という声が聞こえてきて盛り上がる。

よく知られた「ビンゴ」を使った実践ですので、システムの説明は、それほど難しくないと思われます。ここでは、エピソードに焦点を絞って検討してみましょう。

ビンゴのマスに書かせる「自然」の例として、「サクラの芽」「幼虫」「カマキリの卵」「氷」「種」「動いている虫」「落ちた木の枝」「ザクザクした音」「チクチクするもの」「甘い香り」「風の音」「冷たいもの」「10cm掘った土」「鳥の羽」「月」「鳥の声」が挙げられています。これらを選んだ理由を、飯村さんは次のように説明しています。

 視覚、聴覚、触覚、臭覚で感じられるものをバランスよく混ぜるとよい。
 この場合、すべてが簡単に見つけられたらおもしろくないし、すべてが見つけられなくてもおもしろくない。宝物の難易度を考慮する。したがって、誰でも簡単に見つけられるものと、よほど注意しないと見つけられないものを混ぜるとよい。

非常に納得のいく説明です。それでは、実際の活動場面を見てみましょう。

「あった」
「こっちだ」
 子どもたちは、冬なのに汗をかきながら、宝物を探している。
 そして、「ビンゴ!」という大きな声が校庭のいたるところから聞こえてくる。
 班のメンバー全員での「ビンゴ!」の声が雰囲気を盛り上げる。
 子どもたちは笑顔である。

残念ながら、先ほどの例が一つも出てきません。子どもたちが「簡単に見つけられるもの」「よほど注意しないと見つけられないもの」は、それぞれ何だったのか、ぜひ知りたいものです。

他にも、「何か1つくらい自然とはまったく関係のないボケを入れる」場面なども読んでみたかったところです。

実践のアイデアではなく、エピソードを記述しなければ、読者に「追試したい!」と思わせる伝達可能性を確保するのは難しいと思われます。
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