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『ノート・レポートの活用と授業』 [書籍]


社会科指導の基本と発展 (5)

社会科指導の基本と発展 (5)

  • 作者: 佐島 群巳
  • 出版社/メーカー: 教育出版
  • 発売日: 1983/01
  • メディア: -


上條晴夫さんは『子どものやる気をひきだすノート指導』(学事出版)において、ノート指導の出発点を「授業感想文からスタートする」としています。授業感想文の先行文献の一つとして、有田和正さんの『ノート指導の技術』(明治図書)とともに挙げたのが本書です。

本書の編者の一人である有田さんは、「『ノート・レポート』の指導と子どもの心理・認識」の執筆を担当しています。その中で「ノートの点検のしかた」として、その目的が三つ、挙げられています。

(1)子どもの書く意欲を高め、追究を深化させるため。
(2)追究の過程を記録しながら個性的なノートづくりを創り出させるため。
(3)子どものつまずきや思考の状態などの実態をつかみ、指導計画に生かすため。

「きれいにきちんと書くように要求する点検をすればそうなる」「子どもの思考のよく表れたノートがよいという点検をすれば、しだいにそのようなノートがふえる」という言葉からも、有田さんのノート指導観がうかがえます。

その他にも、「思考の作戦基地」「授業と授業の間を生かすノート」など、後年の『ノート指導の技術』でも主張が、すでに見られます。「ケント紙1枚」による「ポスト作り」など、よく知られた有田さんの実践記録も掲載されています。

有田さんの他にも、社会科教育ではよく知られた方々が編集・執筆に関わっています。社会科における「書くこと」の問題について考える一冊と言えそうです。

Ⅰ ノート・レポート活用の基本
  [1]社会科指導における「ノート・レポート」
   1 「ノート・レポート」の学習心理
   2 「ノート・レポート」と子どもの思考・思想
   3 「ノート・レポート」と子どものイメージ・認識の深化
  [2]「ノート・レポート」の指導と子どもの心理・認識
   1 忘れられないノート
   2 ノートする意味
   3 ノートの活用のしかた
Ⅱ ノート・レポート活用の実際
 第1学年「うちの仕事」の展開
 息のながい追求意欲によって仕事を見る目を深めさせる学習指導
 —紙しばい作りとその発表活動を主軸にすえた指導の実際—
  [1]息のながい追求意欲をもたせる学習
   1 息のながい追求意欲をもたせる必要性
   2 社会科と紙しばい作り
   3 社会科としての紙しばいの発表学習
  [2]指導にあたっての着眼
   1 指導の着眼
   2 「着眼」の実践の方向
  [3]「着眼」を実践する指導計画
   1 指導計画立案上の留意点
   2 指導のための計画
  [4]指導の実際とその考察
   1 「お母さんの仕事」の絵をかかせ、話し合いをする
   2 観察や調査をさせる
   3 仕事ぶりを絵や文にかかせる
   4 作業の途中で話し合いをさせる
   5 自分の母親の仕事ぶりを発表させる
   6 友達の紙しばいをもとにして、話し合いをさせる
   7 お母さんの仕事と自分や家族とのかかわりについて考えさせる
  [5]指導実践からいえること
 第2学年「ゆうびんで働く人たち」の展開
 「見たこと帳」を通して書く力を伸ばす
  [1]ケント紙1枚で切実な問題をもたせる
   1 いかに切実な問題をもたせるか
   2 学校の門を出てからの追求
  [2]ポスト作りを通して書く力を伸ばす
   1 ポスト作り
   2 多様な問題とその追求
   3 ポスト調べの発展
  [3]郵便ごっこを通して書くことを深める
   1 郵便ごっこ
   2 郵便ごっこから問題が発生
  [4]学習のまとめで書くことを広げる
   1 紙しばい作りで書く力を引き出す
   2 授業終了後の発展
 第3学年「よその町とのつながり」の展開
 具体的な「もの」の流れを追求するノート・レポートの活用
  [1]ノート・レポートの活用が生きる教材
   1 第3学年の社会科とノート・レポート
   2 具体的な「もの」の流れとノート・レポート
  [2]ノート・レポートを活用した実践例
   1 単元名
   2 単元の目標
   3 展開計画
   4 具体的な実践
  [3]まとめ
   1 問題を把握する段階におけるノート・レポート
   2 問題を追求する段階におけるノート・レポート
   3 結論の吟味段階におけるノート・レポート
 第4学年「水害を防ぐ」〔台風18号水害と関川改修計画〕の展開
 子どもの追求に即したノート・レポートの活用
  [1]子どもの追求とノート・レポートの活用
   1 はじめに
   2 ノート・レポート活用に対する基本的考え方
   3 子どもの追求の様相とノート・レポート
  [2]「水害を防ぐ」の学習におけるノート・レポートの活用
   1 学習指導要領と「水害を防ぐ」
   2 当校の年間指導計画より
   3 実際に水害が発生した時点で組み直し、展開した学習の流れ
   4 子どもの追求活動と、ノート・レポート指導の着眼点
  [3]実際指導の経過
   1 水害の事実を調べる
   2 調べた事実から詳しく分析していくための視点を考える
   3 資料をもとに分析的に追求する
   4 わたったことをまとめ、自分の考えを持つ
  [4]実践のまとめ
 第5学年「私たちの国土」の展開
 「ノート・レポート」の作品づくりと子どもの追求力の深化
  [1]作品としての「ノート・レポート」
   1 ノートづくりの創意と工夫
   2 「ノート・レポート」で支える社会科学習
  [2]5年生の社会科指導と「ノート・レポート」づくり
   1 子どもの学び方と「ノート・レポート」
   2 5年生の「ノート・レポート」のあり方
  [3]「ノート・レポート」づくりの指導と評価
      —「社会ノート文集」づくりの実践
   1 「私たちの国土」を追求する子どもたち
   2 「私たちの国土」の展開計画
   3 子どもの追求と指導の実践
 第6学年「くらしと歴史」の展開
 戦争体験の聞きとりを活用した「15年も続いた戦争」の実践
  [1]単元について
   1 指導にあたって
   2 単元のねらい
   3 単元の指導計画
  [2]実践記録
   1 授業実践までの取り組み
   2 戦争体験の聞き書きのしかた
   3 子どもたちのレポートより
   4 高知大空襲展の見学
   5 「戦争と国民生活」「ここも戦場だった(高知大空襲)」の授業実践
  [3]おわりにあたって
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