ハナマル5くみ「ニコニコがんばりの木」 [雑誌]
私が編集に関わっている学事出版の雑誌『授業づくりネットワーク』「あすの授業」コーナーの原稿を、私なりの視点で検討していきます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号
『授業づくりネットワーク』2009年12月号
学級活動(小1)/黒澤知子 ハナマル5くみ「ニコニコがんばりの木」
「授業のへそ」は以下の通りです。
入学したての1年生に早く自信をもたせてあげたい。それにはとにかく、ほめてあげることが大切だ。そこで、クラスみんながほめられたり、めあてに向かってがんばったりすると、ハナマルが一つ増える「ニコニコがんばりの木」というものを用意した。
「ニコニコがんばりの木」に花やハートが増えるたび、子どもたちは自信をつけ、授業中の発表が増えるなど積極的な行動が多く見られるようになってきた。
少し分量が多いようです。雑誌では13行を費やしています。せめて半分にしたいところです。そのためには、ポイントを絞る必要があるでしょう。たとえば、以下のようにしたらどうでしょうか。
「ニコニコがんばりの木」は、クラスみんながほめられたり、めあてに向かってがんばったりすると、ハナマルが一つ増える。入学したての1年生に早く自信をもたせ、積極的な行動を促す取り組みである。
続いて「授業の流れ」の冒頭部分です。
下校する時に、
『明日は学校に来たら、ランドセルをロッカーに入れて、長い針が四(八時二〇分のこと)になるまでに座っていようね』
と伝えた。
次の日、私は昇降口で子どもたちを迎え教室に向かった。ほとんどの子どもたちは言われた通りに静かに座って待っていた。
『すごい! 昨日、先生が言ったことをよく覚えてましたね。忘れた人もいたかもしれないけど、周りの友だちを見て、きちんとできたのですね。とってもすごいです。こういうことができるのはお手本のハナマル一年生ですね。優秀な5組のみんなにハナマルをあげましょう』
と黒板にハナマルを描くと、とても喜んだ。
『じゃあ、これからみんなでがんばって、たくさんハナマルを増やしていきましょうね。五つたまると花が咲くんだよ』
「おもしろそう!」
「早く花が咲くといいな」
教師の会話を手がかりに、この実践のシステムを探ってみましょう。
・5組によいことがあったらハナマルがもらえる。
・ハナマルが五つたまると花が咲く。
このシステムは、さらに次のように展開します。
ハナマルは画用紙に描き、5つたまると木に花が1つ咲き、花が5つ咲くと、実がなり、実が3つなると、お祝いの会を開く。
また、「伝言板」には次の補足情報があります。
がんばりの木は模造紙1枚に大きく1本の木を作った。花はピンクの紙で作り、リンゴの実は画用紙で作った。
これらの情報を整理すると、次のようになるでしょうか。
(1)模造紙1枚に大きく1本、がんばりの木を作る。
(2)5組によいことがあったら、画用紙にハナマルを描く。
(3)ハナマルが5つたまると、ピンクの紙で花を咲かせる。
(4)花が5つ咲くと、画用紙でリンゴの実をならせる。
(5)実が3つなると、お祝いの会を開く
このようなシステムが枠囲みで提示されていると、実践の全体が見えやすくなります。黒澤さんの原稿は教師と子どもとの会話のやり取りが多く、エピソードは豊富です。ぜひ、もう少しシステムにも気を配って、エピソードとのバランスを考えてほしいと思います。(拙稿「システム整理法とエピソード描写法」『授業づくりネットワーク』2009年8月号参照)
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号
『授業づくりネットワーク』2009年12月号
学級活動(小1)/黒澤知子 ハナマル5くみ「ニコニコがんばりの木」
「授業のへそ」は以下の通りです。
入学したての1年生に早く自信をもたせてあげたい。それにはとにかく、ほめてあげることが大切だ。そこで、クラスみんながほめられたり、めあてに向かってがんばったりすると、ハナマルが一つ増える「ニコニコがんばりの木」というものを用意した。
「ニコニコがんばりの木」に花やハートが増えるたび、子どもたちは自信をつけ、授業中の発表が増えるなど積極的な行動が多く見られるようになってきた。
少し分量が多いようです。雑誌では13行を費やしています。せめて半分にしたいところです。そのためには、ポイントを絞る必要があるでしょう。たとえば、以下のようにしたらどうでしょうか。
「ニコニコがんばりの木」は、クラスみんながほめられたり、めあてに向かってがんばったりすると、ハナマルが一つ増える。入学したての1年生に早く自信をもたせ、積極的な行動を促す取り組みである。
続いて「授業の流れ」の冒頭部分です。
下校する時に、
『明日は学校に来たら、ランドセルをロッカーに入れて、長い針が四(八時二〇分のこと)になるまでに座っていようね』
と伝えた。
次の日、私は昇降口で子どもたちを迎え教室に向かった。ほとんどの子どもたちは言われた通りに静かに座って待っていた。
『すごい! 昨日、先生が言ったことをよく覚えてましたね。忘れた人もいたかもしれないけど、周りの友だちを見て、きちんとできたのですね。とってもすごいです。こういうことができるのはお手本のハナマル一年生ですね。優秀な5組のみんなにハナマルをあげましょう』
と黒板にハナマルを描くと、とても喜んだ。
『じゃあ、これからみんなでがんばって、たくさんハナマルを増やしていきましょうね。五つたまると花が咲くんだよ』
「おもしろそう!」
「早く花が咲くといいな」
教師の会話を手がかりに、この実践のシステムを探ってみましょう。
・5組によいことがあったらハナマルがもらえる。
・ハナマルが五つたまると花が咲く。
このシステムは、さらに次のように展開します。
ハナマルは画用紙に描き、5つたまると木に花が1つ咲き、花が5つ咲くと、実がなり、実が3つなると、お祝いの会を開く。
また、「伝言板」には次の補足情報があります。
がんばりの木は模造紙1枚に大きく1本の木を作った。花はピンクの紙で作り、リンゴの実は画用紙で作った。
これらの情報を整理すると、次のようになるでしょうか。
(1)模造紙1枚に大きく1本、がんばりの木を作る。
(2)5組によいことがあったら、画用紙にハナマルを描く。
(3)ハナマルが5つたまると、ピンクの紙で花を咲かせる。
(4)花が5つ咲くと、画用紙でリンゴの実をならせる。
(5)実が3つなると、お祝いの会を開く
このようなシステムが枠囲みで提示されていると、実践の全体が見えやすくなります。黒澤さんの原稿は教師と子どもとの会話のやり取りが多く、エピソードは豊富です。ぜひ、もう少しシステムにも気を配って、エピソードとのバランスを考えてほしいと思います。(拙稿「システム整理法とエピソード描写法」『授業づくりネットワーク』2009年8月号参照)
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