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鍵盤ハーモニカで演奏できるようになったよ! [雑誌]

私が編集に関わっている学事出版の雑誌『授業づくりネットワーク』「あすの授業」コーナーの原稿を、私なりの視点で検討していきます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号

『授業づくりネットワーク』2009年12月号
音楽(小2)/田川理映子 鍵盤ハーモニカで演奏できるようになったよ!

「授業の流れ」は、次の6項目です。

「かえるのがっしょう」の2時間目の学習。前時に一度鍵盤で練習している。本時では、最初の15分間輪唱したり階名で歌ったりした後、活動の目標を明確にした。『今日のめあては、全員が「かえるのがっしょう」を鍵盤ハーモニカで演奏できるようになることです。』
 そして活動の流れを確認する。

(1)一人で練習する。(5分)
(2)ペアで練習する。(5分)
(3)班で練習する。(5分)
(4)くじ引きで当たった5人が演奏する。
※5人全員が演奏できたら、めあてを達成できたとする。

子どもたちが活動している間、「教師は見守る」ことになっています。教師が教えてしまうと、子どもたちは「先生が教えてくれるから大丈夫」と思ってしまうからだそうです。このような教師の方針について、田川さんは「『学び合い』の手引き書」(西川純氏HP ネットブック)を参考にしたそうです。

そうだとすれば、教師の授業行為は、どこに表れるのでしょうか。それは「最初の15分間輪唱したり階名で歌ったりした後、活動の目標を明確にした」ところだと思われます。「輪唱」「階名」「目標」の部分において、教師の何らかの教授行為が行われているはずですが、『今日のめあては、全員が「かえるのがっしょう」を鍵盤ハーモニカで演奏できるようになることです。』という目標を提示したことしか、原稿からは伝わってきません。この部分に、この授業を成立させるしかけがあるように思われます。

少なくとも、「(1)一人で練習する。……」の枠囲みが、この授業のシステムとは思えません。単に、子どもたちの活動を列挙しただけであって、授業全体のシステムを明示することになっていないように思われます。「学び合い」の活動前の「15分間」に何が行われたのかを知りたかったです。

たとえば、池田康子さんに「指番号を歌って覚えて名演奏」(『「音楽活動の基礎」の授業50のネタ』学事出版)という鍵盤ハーモニカの実践があります。「授業の流れ」の項目のみ引用します。

(1)ドレミを覚えよう(2分)
(2)指番号で歌おう(2分)
(3)指番号で歌いながら指を動かそう(3分)
(4)指番号を歌いながら鍵盤の上で指を動かしてみよう(4分)
(5)音を出して名演奏!(4分)

全部で15分です。たとえば、このような指導後の「学び合い」であれば、指番号で歌ったり、指を動かしたりする練習を、子どもたちだけで進める光景も目に浮かべやすいです。

田川さんの原稿も、「学び合い」に至る前提として、音楽の鍵盤指導がどのように行われたのか、明示すべきではないかと思われます。
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