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こすって、うつして [雑誌]

私が編集に関わっている学事出版の雑誌『授業づくりネットワーク』「あすの授業」コーナーの原稿を、私なりの視点で検討していきます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号

『授業づくりネットワーク』2011年3月号
図工(小1)/西塔枝里 こすって、うつして

「授業のへそ」を引用します。

 身の回りにある凹凸がついた物に、紙を当ててクレヨンでこすると模様ができる。こする作業を楽しみながら、物の素材や感触の違い、できる模様の面白さについて気づくことができる。

ここには二つのことが書いてあります。「紙を当ててクレヨンでこする」こと、「物の素材や感触の違い、できる模様の面白さについて気づく」ことの二つです。

前者については、次の枠囲みで説明されています。

(1)教室の中で、でこぼこを見つけたら紙を当ててクレヨンでこする。
(2)でこぼこは、それぞれ違う色のクレヨンでこすること。
(3)こするときは、クレヨンを寝かせるようにして持ち、同じ方向にすきまなくこすること。
(4)教室で探し終わったら、みんなで外へ行って探す。

この手順を読めば、紙とクレヨンの使い方、活動場所の移し方が分かります。

後者については、「振り返る」場面において、次のように描写されています。

 教室に戻り、紙を見ながら振り返りをする。
『今日はどんな模様を見つけましたか』
「テレビのスピーカーのところが、てんてんになっていました」
「道路がブツブツした模様になってたよ」
「板をこすったら目玉みたいのが出てきたよ」

子どもたちの発言を見ると、「物の素材」「感触の違い」「模様の面白さ」の気づきが伝わってきます。これは偶然ではなく、西塔さんが意図的に会話を選んだのでしょう。

「授業のへそ」を支える形で、活動の説明(システム)と描写(エピソード)が示されている構造のため、分かりやすい原稿になっていると言えるでしょう。
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